「催眠術と聞くと、あなたはどんなイメージがありますか?」
このように質問をすると、
「例えば、嫌いな蛇とか、辛いものを食べたりとか、自分の嫌がるような事を、無理やりやらせることができる…そんな怖いイメージです。」
と、このように『無理やり』とか『嫌がること』を催眠術によって、
『逆らえなくなる』
と思う人も少なく無いんですよね。
でも、よくよく考えてみると、例えば、今まで数多くあった事件の中で、
「催眠術によって引き起こされた事件」として、強盗だったり殺人事件のような犯罪が行われたことなんて、聞いたことないと思います。
それがなぜかといえば、
催眠術によって、相手が望まないことを仕向けることができない
からなのです。
もっと簡単に言えば、相手が「No!」と判断したことに対して、
催眠術はかからない
のです。
カードの暗証番号を教えたくなる催眠術
もしも、あなたが催眠術にかかって、手が固まって動かなくなったり、飲み物の味が変わったりと、楽しむことができたとします。
そこで、いざ大切な財産がギッシリ詰まった銀行カードの暗証番号を催眠術によって聞き出そうとします。
その時に、催眠術にかかっていたとしても、きちんと術者の声も聞こえるし、意識もボーッとはしていても、話しかけられる言葉は理解できます。
その時に、
「さすがに暗証番号を教えるのは嫌だなぁ…」
と、思った時には、催眠術にはかからないので大丈夫です。
ただし、もしも、あなたの銀行口座に100円しか入ってなくて、
「別に知られたところで100円だけだしなぁ」
と、このような感じで教えることに抵抗がなければ、話してしまうかも知れませんけど…。
そうなると、脅したり、暴力によって、
「この恐怖から解放されたければ…」
とのことで、聞き出したほうが効率はいいので、犯罪に催眠術を使おうと思っても、
利用価値は激薄です!
怖いのは催眠術よりも洗脳技術
洗脳とは、自分の持っている思想を洗脳する側の都合のいいように教育していく方法です。
例えば、新興宗教などにあるような、大勢を部屋に閉じ込めて、自由を奪った状態で、巧妙にワークなどをやって変えていく手法が洗脳となります。
洗脳と言えば、エックスジャパンのトシさんがやられたことで有名です。
自己啓発セミナーに通っているうちに思想を変えられてしまい、地位も財産もそこに貢ぎ込んでしまったことで知られています。
他にも、有名人で言えば「ヒットラー」も洗脳技術によって人々を操っていました。
ヒットラーが演説をしている過去の映像では、声を荒げて力強く壇上から語りかけているシーンが有名ですが、その前には、普通に静かに演説をしているそうです。
そして、太陽が自分の背中にさしかかってくる、まるでヒットラーに神の後光がさしているかのようなタイミングとなったときに、あのような演説をするといった、
音と光を使った洗脳技術を用いていたのは、ご存知でしたでしょうか。
もともとヒットラーには、専門的に洗脳を研究する機関があって、それによって巧みに洗脳技術を使いこなしていたからこそ、凄いことになってしまったのです。
ただ、この光と音を使った洗脳技術ですが…
光が放出されて、その光を背にして、大音量とともに登場するようなシーンって、見たことがあるかと思います。
これって、さまざまなイベントにおいて、主役が入場する際の定番の手法だと思いませんか。
あれ洗脳技術ですw
また、一定の間隔で視認できないほどの短い時間で映像を忍ばせる「サブリミナル効果」などもありますし、
それは使用が禁止されておりますが…
このように、洗脳技術は様々なところで何気なく使われていたりするものなのです。
もしかしたら、以前お話をしたマックシェイクのストローの太さが女性の乳首の太さだというのも、
最先端の洗脳技術かも知れません!
そうなると、もう、催眠術なんて可愛いものではありませんか…。
洗脳も怖いけどマインドコントロールはさらに上
洗脳は、ヒットラーや宗教に取り入れられるように、どちらかと言えば、規模が大きいので悪いことに使われると発覚がしやすいです。
しかし、マインドコントロールとなると、いつの間にか相手の思い通りに誘導されているので、やられたとしても自覚が無い場合がほとんどです。
例えば、リホーム業者が家の無料点検と称して、屋根裏に入って点検するフリをします。
そして、持参したシロアリだらけの木片を取り出して、
「こんなにシロアリが発生して柱がボロボロなので、柱の補強とシロアリ駆除をしたほうが良いですよ。」
と、提案をして、まんまと工事費用をだまし取る方法が昔よくありました。
まぁ、ただの詐欺なのですが…
しかし、手法としてはこのように、不安をあおっておきながも、その不安を解消する親切心によって、ドンドンと相手の中へとつけ込んで行く訳です。
その不安をあおるとっかかりとして、よく占いを使われることが多く、運命をよくするためのツボといった「物」を高額で売りつけるパターンが有名ですね。
他にも、様々な方法がありますが、よくマーケティングと言われる、いわゆる相手に物を買わせる方法として、マインドコントロールの知識が用いられているのも事実です。
何にしても、本人にとってしてみればマインドコントロールを受けている自覚が無いため、余程のことが無いことには発覚しないことが多いのも事実です。
また、相手を自分の思い通りにするために、最初に相手に不安をあおっておいて、その不安を解消する手段として、その人にとって不要な物だとしても買わせてだますような行為と
善意を持って、相手の問題点(不安材料)を指摘して、その問題点の解決のお手伝いとして商品を提供するのとでは、やっていることは同じなので(全く意味合いは違いますが…)違いが分かりづらいと行った事もあります。
正直、私たちはメディアの広告戦略などで、いつの間にか不要な物を買わされていることなんてザラですから、どこで操られているのかなんてわかりませんよね。
一般的には、洗脳とマインドコントロールの差が分かりづらいのと、どちらも
相手の思い通りには仕向けられている
ことに
違いがない
ので、洗脳もマインドコントロールも同じものとの捉えられています。
人を操るにしても催眠術は犯罪には向いていない
ここまでお話を聞いてくださった時点で、催眠術よりも洗脳やマインドコントロール、あるいは、暴力で人を支配したほうが、犯罪としては効率がいいです。
(ものすごく、悪い表現ではありますが…(^_^;))
また、催眠術において、相手を催眠状態といった、いわゆる意識がボーッとした状態へと誘導をしていくのですが…
いわゆるこれは「酩酊(めいてい)状態」と言って、睡眠薬や、お酒を飲んで酔っぱらったような、
「自分でしっかり判断できない状態」
へと相手に同意なしに仕向けることは法律で禁止されています。
なので、催眠術を嫌がる相手には無理やりかける人は通常いません。
そもそも、催眠術の性質上、嫌がる相手にはかからないですからね。
なので、マンガやアニメでみる催眠術は、実は洗脳やマインドコントロールの部類であって、要するに
勘違いで怖がっているのです。
催眠術は相手の協力で成り立っている
テレビなどのメディアでみる、いわゆる
「ショー催眠術」
においては、ショー(エンターテイメント)として驚かせるために、あえて日常ではありえないような出来事を相手に起こさせます。
例えば、身体が固まって動かなくなったり、名前を忘れたりなど…
いかにも、催眠術師が自由自在に操っているように見えますが、そこには相手の同意があってこその現象となります。
ヤラセとかではないですよ…(^_^;)
カードの暗証番号を教えるといった否定するものには催眠術はかかりませんし、
催眠術師の指示した内容に本人が
「そうなったら楽しいかも」
「本当にそんなふうになるのかな」
といった、催眠術にかかることに対して抵抗感がなく、楽しむ気持ち、好奇心といった、受け入れる気持ちがあるからこそのショーとなります。
なので、催眠術は人をおとしめることに使うよりも、本人が望む事、
それが健康であれば、それを後押しするような医療催眠として使われたり
運動能力の向上であれば、アスリートのメンタル強化といった分野に取り入れられ訳です。
また、禁煙やダイエット、対人恐怖症、トラウマといった自分が望まない状態からの脱却の後押しにも、催眠術は相性がよいです。
催眠術と洗脳、マインドコントロールの決定的な違い
洗脳とマインドコントロールは、
相手の思い通りに操られる
ことに対して、催眠術は、
自分の望む状態に操られる
と言うわけです。
そうなると
催眠術を利用するに越したことは無い
と思いませんか?

